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子どものころ、走るのがとても苦手だった。
50メートルは遥か遠く、徒競走はいつも憂鬱だった。
速く走りたいとは思うくせに、思うだけで、同じく一度もできたことのない逆上がりも二重跳びも一輪車も、たとえば放課後に、日曜日に。とにかく体育の時間以外に自ら練習したことはなく、
明日の五時間目に大雨がふって運動場使えなくなったらいいのになぁとか、できないことを嘆いては、ただ願うだけだった。
練習しない、というのは、いつまでたってもできないことはできないまま、わたしは今もたぶん(いや確実に)、二重跳びは出来ないし、一輪車にも乗れない、50メートルはボルトの100メートルよりもたぶん遅い。
でも今のわたしが願うのは、明日の午後雨が降ることでも徒競走で一番になることでもなく(そもそも徒競走に出ることがないけれど)、
いいものを、もっとはやく、つくること。
一日、一ヶ月、一年と、時間の流れの速さに驚くのは、ぶっちぎりで遅い徒競走で、前を走る運動部の、日に焼けたまっすぐきれいな脚がどんどん遠のいていくのを見ているときとよく似ていて。
あぁ、はやいなぁ、と、落胆する夕方だけど、今日も遅いなりにひとつは縫えたと思い返す。
明日はまた来る。
ミシンが使えなくなったら困る。
いつか、いいものを、もっとはやく作れるようになりたい。
できないことを嘆くのではなく、すこしずつ、練習を重ねるように。
50メートルは遥か遠く、徒競走はいつも憂鬱だった。
速く走りたいとは思うくせに、思うだけで、同じく一度もできたことのない逆上がりも二重跳びも一輪車も、たとえば放課後に、日曜日に。とにかく体育の時間以外に自ら練習したことはなく、
明日の五時間目に大雨がふって運動場使えなくなったらいいのになぁとか、できないことを嘆いては、ただ願うだけだった。
練習しない、というのは、いつまでたってもできないことはできないまま、わたしは今もたぶん(いや確実に)、二重跳びは出来ないし、一輪車にも乗れない、50メートルはボルトの100メートルよりもたぶん遅い。
でも今のわたしが願うのは、明日の午後雨が降ることでも徒競走で一番になることでもなく(そもそも徒競走に出ることがないけれど)、
いいものを、もっとはやく、つくること。
一日、一ヶ月、一年と、時間の流れの速さに驚くのは、ぶっちぎりで遅い徒競走で、前を走る運動部の、日に焼けたまっすぐきれいな脚がどんどん遠のいていくのを見ているときとよく似ていて。
あぁ、はやいなぁ、と、落胆する夕方だけど、今日も遅いなりにひとつは縫えたと思い返す。
明日はまた来る。
ミシンが使えなくなったら困る。
いつか、いいものを、もっとはやく作れるようになりたい。
できないことを嘆くのではなく、すこしずつ、練習を重ねるように。
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ああそういえばあなたも揚げ物だったわねと、昨日の日記をすこしばかり反省して、わたしの舌において、唯一ときめく、だいすきな揚げ物、ドーナツ。
砂糖と油の味。
小説、きらきらひかる、の、だいすきな一文。
あの頁を読んでから、さらにすきになったなぁと思う、背徳感のかたまり。かりかりとじゃりじゃりとふわふわ。あまいあまい、最高のたべもの。ドーナツ。
砂糖と油の味。
小説、きらきらひかる、の、だいすきな一文。
あの頁を読んでから、さらにすきになったなぁと思う、背徳感のかたまり。かりかりとじゃりじゃりとふわふわ。あまいあまい、最高のたべもの。ドーナツ。
どういうわけか定期的に、野菜しか食べたくないモードのときがある。
生野菜にほとんどなにもつけずかごく薄く、もしくは思いきり酸っぱくして、兎の気持ちでもりもりばりばり。食感とたっぷり水分と、体が冷えるから良くないとかしっかり理解しながらの、もりもり、つめたい野菜。
ステーキにも揚げ物にもときめかないわたしの舌において、最近いちばんおいしいなぁと思ったのは、パプリカのマリネ。よく焼いて一晩おいての夕飯で、厚く甘く酸っぱくすべらかで、まったくもって夏には夏野菜だなと思う。
野菜はおいしく、うつくしく、あのエネルギーは部屋に花を飾る時に似ていて。
パプリカのぱきっと鮮やかな赤。トマトのやわらかな赤。茗荷の薄紅のグラデーション。レタスの黄緑。人参のオレンジ。
今日もガラス皿に、もりもり野菜を食べる。
夏野菜のカリウムで、体温だけでなく、地球の温度も下がればいいのにと願いながら。
生野菜にほとんどなにもつけずかごく薄く、もしくは思いきり酸っぱくして、兎の気持ちでもりもりばりばり。食感とたっぷり水分と、体が冷えるから良くないとかしっかり理解しながらの、もりもり、つめたい野菜。
ステーキにも揚げ物にもときめかないわたしの舌において、最近いちばんおいしいなぁと思ったのは、パプリカのマリネ。よく焼いて一晩おいての夕飯で、厚く甘く酸っぱくすべらかで、まったくもって夏には夏野菜だなと思う。
野菜はおいしく、うつくしく、あのエネルギーは部屋に花を飾る時に似ていて。
パプリカのぱきっと鮮やかな赤。トマトのやわらかな赤。茗荷の薄紅のグラデーション。レタスの黄緑。人参のオレンジ。
今日もガラス皿に、もりもり野菜を食べる。
夏野菜のカリウムで、体温だけでなく、地球の温度も下がればいいのにと願いながら。
もやもやしていてもいなくても、疲れたときも余力のあるときでも、まずは掃除。とにかく掃除。1分あったら1分でも掃除。
家のなかのただの一箇所がきれいになるとき、同時にストレスも剥がれ落ちる感覚。
今日はお風呂のバーをぴかぴかに磨いて、あぁ去年の今ごろは掃除のしすぎで悩んでいたなんてうそみたいだなぁと、掃除はやっぱり、わたしにとって基本である。
すっきりさっぱり、
今日の天気みたいにいい。
そしてまだ14時。さて、ハンカチの続きを縫おう。
家のなかのただの一箇所がきれいになるとき、同時にストレスも剥がれ落ちる感覚。
今日はお風呂のバーをぴかぴかに磨いて、あぁ去年の今ごろは掃除のしすぎで悩んでいたなんてうそみたいだなぁと、掃除はやっぱり、わたしにとって基本である。
すっきりさっぱり、
今日の天気みたいにいい。
そしてまだ14時。さて、ハンカチの続きを縫おう。
ようやく梅雨明けがみえそうで、つまりはついに始まってしまいそうな、永遠のように長い夏。
だけど作るものリストを眺めては、あっと言う間に来年な気さえして、これとこれとあれを作り終える頃にはいくらか涼しくなっているかなぁと、愛しの秋を、待ち遠しく、でもゆっくり来てほしくて。
季節はいつも、永遠のようでとても短い。
だけど作るものリストを眺めては、あっと言う間に来年な気さえして、これとこれとあれを作り終える頃にはいくらか涼しくなっているかなぁと、愛しの秋を、待ち遠しく、でもゆっくり来てほしくて。
季節はいつも、永遠のようでとても短い。
About
furuyama saki
神奈川県在住 1993年3月生まれ
高校を中退後、2010年よりアクセサリーの製作活動を開始。
個展、通販、雑貨店での販売と同時に、フィルム写真やZINEも製作発表。
2015年、結婚を機に、暮らしに調和する布小物「mel」を開始。
現在はスロー活動中。
29歳年上夫とふたり暮らし。
美味しいもの、きれいなもの。リネンと花と野菜が好きです。
神奈川県在住 1993年3月生まれ
高校を中退後、2010年よりアクセサリーの製作活動を開始。
個展、通販、雑貨店での販売と同時に、フィルム写真やZINEも製作発表。
2015年、結婚を機に、暮らしに調和する布小物「mel」を開始。
現在はスロー活動中。
29歳年上夫とふたり暮らし。
美味しいもの、きれいなもの。リネンと花と野菜が好きです。
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