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今日見た古い映画の最後、空港にて別れのシーンでヒロインが、「手紙待ってる。」と言った。
それに、えらく感動した。

また別の古いもの、何度も読んだ好きな小説。
親の都合で転校を繰り返すことになる娘に、主人公である母親が「お友だちには手紙を書きなさい、手紙は80円で日本全国に届くのよ。」というようなことを言うけれど、娘のほうは手紙が嫌いで、だって、手紙を出すと返事を待ってしまうから。
それを今日、思い出した。

今だと、「LINEしてね。」
何日も待つことなんて無くて、80円、いや今は84円だっけ、どころか、ネット環境さえあれば1円もかからずに連絡がとれる。
でもそのボタンを押すのと、手紙の封を開けるときの違い。

不便がゆえの美しいことといったら。
そもそも、選択肢が少ない、時間がかかる、とかいうのは、それだけひとつひとつへの感動が大きいと思う。
機械化が進むにつれて、人間が機械になるわけじゃなくとも、だんだん、人間でありながら感情の波が薄くなっていくのかな。

風邪を引いていた甥っ子が元気になって、今日は大きな公園に遊びに行ったよ、と妹からLINEで動画が届いた。
はぁなんてかわいいんでしょ。
しっかり感情が動いていることに安堵。
そうして実際、これのおかげでわたしは、ホームシックにならずにいられる。
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Furuyama saki
神奈川県在住
1993年3月生まれ
高校を中退後、2010年よりアクセサリーの製作活動を開始。
個展、通販、雑貨店での販売と同時に、フィルム写真やZINEも製作発表。
2015年、結婚を機に、暮らしに調和する布小物「mel」を開始。
現在は不定期オープン、スロー活動中です。

29歳年上夫とふたり暮らし。
リネンと、おやつとコーヒー、洗濯を愛しています。
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