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mel

生しらす
舌で感じるそれ、に加えて、思い入れというものによって、より、おいしく感じたりする。

生しらすは、もはや愛であると言っていいと思うほどに、すきなたべもの。

実家にいたころは食べたことがなく、初めて食べたのは、二十歳の、夏の終わりの祝日。
まぁ当然に観光客で溢れかえる江ノ島で、お昼も十にすぎた暑い午後、ようやく入れた小さな店で、まだ知らないたべもののくせに、なんの迷いもなく、当然のように頼んだと思う。
生しらす丼と、江ノ島ビール。

まだその先に、この人の妻になる、だなんて。夢にも思っていなかったころ。

夢のように天気がよく、海は空は美しく、気だるくて楽しくて、夢であってほしいくらいに暑く、冷えた瓶ビールとぷるぷるの生しらすは、夢のようにおいしかった。

昨日は近所のスーパーで買った生しらすを、夕飯に食べた。
ときどきしか売っていなくて、みつけると、今夜の献立予定なんてもう一瞬にして変更、夫がかえったら、待ちきれずに玄関で言う。今夜は生しらすだよー!

夢のような思い出。
あのときあぁだったねを思い出せるいつも、おいしいものは偉大だなぁと、こころから。
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