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          ついこないだ、と思っていたけれどもうひと月が経つらしい、先月の始めに、近所で初めて行ってみた古いちいさなお蕎麦屋さんがとっても良かったので、また行った。
 同じように日曜日の夜に夫と駅で待ち合わせて。
 同じように空いていて静かな店内。同じようにやさしいおばちゃん。
 注文して、待ちながらふと見た壁に、こないだは無かった「当店は~~日で閉店します」の文字を見た。え。
 おばちゃんに聞いてみる。
 おばちゃん。いや、おばあちゃん。厨房に見える店主らしき姿は、おじさんではなくおじいちゃん。引退するらしい。
 44年やったの。という店に、ついこないだ知ったばかりのわたしたちが何を言えよう。
 ここは通いたいね、また来ようね、と話したのをなんとも切なく、ちょっとしっぽりした夜ご飯になってしまった。
 けれどこんなの初めてじゃない。
 結婚前に夫とよく行ったあの洋食屋も。あの町のちいさなパン屋さんも。いつも貸切だったティールームも。神社のとなりの静かなカフェも。
 いくつもの店が閉店して、そのたびに寂しいなと思うけれど、そして急に、アントニオ猪木のことを思い出した。
 夫が子どもの頃に大好きだった人。
 それに限らず、日本中にものすごく多くの猪木ファンがいると思う。けれどもう彼は亡くなってしまった。
 あ、そういえば去年は力道山のお墓にも行ったんだっけ。ってお寺に行ったら偶然見つけたのだけど。。
 夫に会うまで、猪木とジャイアント馬場が力道山という人の弟子だとも知らなかった。
 人はいつか死ぬ。猪木はもういない。
 でも、夫や彼らファンの心のなかで、あの頃の猪木はずっと生きていて、思い出はなくならないんだよね。
 結婚前に亡くなっているので、わたしは夫の父に会ったことがないけれど、夫と母と妹と、いつも、とっても幸せそうに父の話をする。父はいない。でも思い出はなくならない。
 蕎麦屋はもうすぐなくなる。
 けれど、思い出はなくならない。
 閉店までにあと一回は行けるかな。
 思い出を刻みにいこう。
 それから、おばちゃんにありがとう、お疲れさまって言いにいこう。
 たったひと月ちょっとの客だったとしても。PR
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          日々いろいろあって、考えないようにと思っても考えて、悩んでしまうし、なかなかね、だけど、楽しかったことやうれしかった時間をしっかり忘れないでいよう。これは先週のそんな記録です。わたしもしあわせ。
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          突然涼しくなった。
 北風が強く、今日はちょっと寒いくらい、既に腰にカイロをはり、腹巻きをして過ごす。
 と、なかなか治らなかった腰がとたんに楽になった。
 蛇口の水も冷たいし、花瓶の水もしっかりある。
 すずしいもそうだけど、エアコンがついてないってすごく快適。
 ちょっとがんばってあれもやろう、の余力が出てくる。
 あとは金木犀、そして紅葉とかね。たのしみだな。
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          降ったりやんだり、いきなり涼しい日曜日。
 腰がなかなか治らず、一番近いスーパーに行ってさっさと帰って少し縫って、なだけの静かな日だったけれど、近所のお宅の秋明菊が咲いているのをみつけて、うれしい。
 ちょっとおもちゃみたいなふうが、とってもかわいい。
 コスモスも咲いているし、百日紅も終わりになってきて、そうねお彼岸、すもも星人からりんご星人に変身するのもそろそろかな。
 もうほんと、暑いの終わりでありますように。
 この日記とSNSについて、最近、こんなこと書いて何になるんだろ、誰がおもしろいんだろ、とか考えていたけど、何にもならなくてもわたしは書くのが好きらしい。書いたらすっきりする。
 読んでくださってありがとうございます。
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          月に一度のご褒美だった昨日。
 いつものお店でゆっくりランチして、はぁ今日も美味しかった最高だったよと店主と話して、ようやっと秋が来るけど今年もタルトタタンは作る?と聞いたら、しょうがないなぁ。と笑って返される。
 去年あまりに好みだったタタン。
 シェフの作る味はいつもとっても優しくて、わたしはこの店から出た瞬間が、一ヶ月で一番満たされた気持ちだなと思う。こんなお店、いや人に出会えて本当に良かった。
 お腹いっぱいの午後は、ゆっくりしすぎてすでに14時半を過ぎ、だけれど15時閉店のパン屋まで徒歩15分を、暑い、間に合うかな、とりあえず行ってみようと歩き出したらいや思った以上に暑い、あぁなんで行くって言ったかな自分、、
 後悔しながら、途中のコンビニで氷買って保冷剤変わりに身体を冷やして、なんとかたどり着いたら55分。
 でもまだお客さんもいて、パンもいくつかあって、その店の人たちもまたとっても親切で、そんな時間なのにひとつひとつのパンのことを教えてくれた。あーがんばって歩いて良かった。
 夕方は偶然見つけたちいさなお寺と、神社におまいり、本屋に行ったタイミングで大雨が降ってきてしばし休み。
 雨上がってから歩いた初めての道は、いさにも歴史のありそうな喫茶店だとか八百屋だとか、ローカルなスーパーとか、仕事帰りのサラリーマンぽい人を見つけてこっちが駅かなってついて歩く。高校生の集団が賑やかな、各駅停車の古びた町の、なんだろ、ゆるやかな空気、これが楽しかった。
 夜も外で、これまたお決まりの定食食べて、買い物して、もうへっとへとで家に帰る。
 シャワーから上がったら先に上がった夫はすでにテレビをつけて、贔屓のスポーツの選手の勝利インタビューを見ていた。
 完璧なまでに普通の、良い休日だったな。
