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新年度の朝。
いい天気。

休日は、
洗濯まわして掃除して、と、
ばたばたうるさくても起きない夫。
白湯をいれてひと息。
ひとりのこの時間が結構すき。

起きたら朝ごはん、
またホットケーキとコーヒー。
今朝のたのしみは、ひまわりの蜂蜜。








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上京する前、部屋を借りに行く前日のこと。

出かけていて、帰ってお風呂に入って準備して夜行バスに乗って新宿まで、の夕方。
家に帰ると、母がちょうど休みで、グラタンを作っていた。
母のグラタンなんて10年ぶりくらいのような、仕事に忙しくほとんど家にいない母が、はやい時間に、めずらしく、それも、子どもの頃だいすきだったグラタン。マカロニとエビと野菜のグラタン。

白くあつあつのグラタン。とてもうれしかったというのに、それを半分も食べられなかった。
ほんの2時間前に外でチキンドリアを食べたことを後悔しながら、もう30分後には家を出ないと間に合わなかった。あのかなしさはわすれられない。

母はお腹いっぱいならやめときなー、って全然気にしてない風で、上京当日すらセンチメンタルはまったくなく。
たぶん、聞いてもそんなグラタンのことなんて憶えてもいないだろうけど、どうしても、二月の、あの寒い夜はかなしかった。

母のグラタンは特別な味ではなく、とてもふつうだった。白いグラタン皿にこんがりこんもり、とろりと、とてもおいしかった。
たまにしか出てこなかった味。
今でも時々、食べたくなる味。
上ばかり見てしまう季節。
まだ五分咲きのあしもとにはたんぽぽとポピーがすでに満開で、うれしくなって、帰りみちは下をみて、注意深くあるく。

下は名前のわからない小さな花たちがわさわさしていて、線路沿いも、アスファルトの隙間も、陽当たりのわるい公園のプランターにも色とりどり。

きちんと並んだチューリップに、とびきりの春を感じた昨日。
真冬とちがうのは、たった8度でも、緊張感のない8度なこと。
花冷え、きれいな言葉。


季節のにおいや空気とおなじように、時間にも空気があって、その日の天気とか予定とかがどうであっても、
なぜか、午前は、それだけでもう良い空気。

朝が弱く、早起きは三文の得だなんて三文どころじゃなくもう無限のかんじだとわかっているのに、やっぱりどうしても苦手で。
だから、たまに早く起きられて朝ごはんを食べに出かける休日や、ひさしぶりの晴れだから気合いで起きて洗濯祭りを開催する季節の変わり目は、昇りたての朝陽の神々しさに毎回、しずかに感動してしまう。

駅に向かう休日の多摩川で、橋の下にみた少年野球のあのあたたかさ。
もう六年前の記憶だけど、ありありと思い出せるうつくしい朝。
たんぽぽやハルジオンや古いベンチ。コーチの青いジャージ。母親たち。

ねむくてふらふらながらにも、あぁ早起きしてよかったと、心の底から思った今朝。
東の窓辺で、白湯をのみながら。




もっと素直に書いてみたら。
と夫にいわれて、
そうしてみようかなと思った今日。

あたたかな休日。
駅までの道にたんぽぽがうれしい。
春服を買いにと、パンを食べに。
ぱりぱりの層がぺらりと剥がれたところを、
つまんでたべるのもすき。






About
furuyama saki
神奈川県在住 1993年3月生まれ
高校を中退後、2010年よりアクセサリーの製作活動を開始。
個展、通販、雑貨店での販売と同時に、フィルム写真やZINEも製作発表。
2015年、結婚を機に、暮らしに調和する布小物「mel」を開始。
現在はスロー活動中。

29歳年上夫とふたり暮らし。
美味しいもの、きれいなもの。リネンと花と野菜が好きです。
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