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今日、夫が還暦を迎えた。

出会った時はぎりぎり40代だった夫、いやそれで言うとわたしだってハタチだったのをもう31が来る。
当時すでに白髪があったのを、10年もしたら真っ白になるのかなと思っていたけど、なぜだかまるで変わらない。

わたしがたぶん12歳?の時、祖父の還暦祝いをした。
赤いちゃんちゃんこを着ていたはず。それと同じ年齢だなんて。いや祖父もまだまだ元気だけれど、還暦、の意味合いも昔とは違うよね。時代なんだな、と思う。

結婚した当初、夫の食べるものに、塩ひとつふるのも怖かった。病気になるんじゃないか、年だから、長生きしてもらわないと、と考えて、勉強もした。
それから5年ちょっとかな、経って、母がくも膜下出血に倒れた。幸い普通に生活できるようになったけれど、そのタイミングで、コロナウイルス。
そこからもう4年。
忘れもしない1月の寒い日。
これまで、あんな怖いことってなかった。
ICUにいた数日のこと、本人はまるで記憶にないらしい。

ちょっと大袈裟な言い方をすると、人生が変わった、と思う。
夫と出会う前のわたしは、家庭というものに良い記憶がなくて、もっと、成功したい、売れたいという野心みたいなものがあった。自分はこんなもんじゃない、みたいな。

でも、普通に一緒にごはん食べて、の生活のしあわせというのを知ったら、家族を好きだとか、ありがとうとか。ごめんなさいとか幸せだねとか。
そういうのを心から言えるようにもなった。

母のことがあって、わたしはお酒をやめた。
前よりは気にしなくなったけれど、添加物とか、なるべく、の意識はずっとあって、時々苦しいときもある。

昨日、スーパーがおそろしく混んでいたのでちょっとばたばたして、あぁもうこんな時くらいお中元にもらったけれどそのままあるレトルトのお世話になろうかと一瞬過ったけれど、そうだ人参切りかけだったし鯖食べたいし、で、けっきょく、サバ缶とヨーグルトでカレー。ざっとミキサーにかけて作り、蒸したキャベツとクレソンと、わかめ納豆和え。

そんな簡単なものしかないごはんで、ヘトヘトで、でも美味しいと言われるとうれしくて、やっぱり楽しくて。
これからどんどん年を取っていく、もちろんそれは有限で、永遠に一緒になんて居られない。
それでも、一日でも長く健康で、そして楽しく暮らせたら。

何が言いたいんだか、の日記になってしまった。。
誰にとっても、いつ、何が起こるか分からないのだから、特別な日じゃない普通の毎日を、大事にしていたいな、という話。
髪なんて真っ白になっても全然いいよ。
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Furuyama saki
神奈川県在住
1993年3月生まれ
高校を中退後、2010年よりアクセサリーの製作活動を開始。
個展、通販、雑貨店での販売と同時に、フィルム写真やZINEも製作発表。
2015年、結婚を機に、暮らしに調和する布小物「mel」を開始。
現在は不定期オープン、スロー活動中です。

29歳年上夫とふたり暮らし。
リネンと、おやつとコーヒー、洗濯を愛しています。
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