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mel

酢飯
一体いつぶりかしら、の夕陽がまぶしい台所で、あぁこんな暑い日にはこれしかないなと、ちらし寿司を作る。

しらすのお寿司。
みょうがとごまとすだちと。


最後に田舎に帰省したとき、祖母が用意してくれたのは、焼き鮭のちらし寿司だった。
祖母のお寿司は特別なものではなく、飯台の酢飯と、祖父の前に並んだお刺身(祖父の好物なので目の前に置く) でたくさんの握り寿司や、ちらしに手巻きに細巻き。
なんのお祝いでもないふつうの日によく出てくる、たぶん母と叔母にとっての、おふくろの味だろうと思うもの。

お惣菜屋さんで働いていた祖母の、しっかりと酸っぱく、きちんと美しいお寿司。

台所のカウンターで、杓文字を持つ祖母から、まだほの温かい酢飯をもらって食べるのが、わたしも妹も従兄弟も、そしてたぶん、夕飯が食べられなくなるからやめなさいと言っていた母と叔母も、とにかく大好きだったなぁと、お寿司のたびに思い出す。

しみじみ、なつかしく、おいしい。






(写真は夏の思い出つながりで、
たぶん5年前の、夫とみた江ノ島の海。)
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