上京する前、部屋を借りに行く前日のこと。
出かけていて、帰ってお風呂に入って準備して夜行バスに乗って新宿まで、の夕方。
家に帰ると、母がちょうど休みで、グラタンを作っていた。
母のグラタンなんて10年ぶりくらいのような、仕事に忙しくほとんど家にいない母が、はやい時間に、めずらしく、それも、子どもの頃だいすきだったグラタン。マカロニとエビと野菜のグラタン。
白くあつあつのグラタン。とてもうれしかったというのに、それを半分も食べられなかった。
ほんの2時間前に外でチキンドリアを食べたことを後悔しながら、もう30分後には家を出ないと間に合わなかった。あのかなしさはわすれられない。
母はお腹いっぱいならやめときなー、って全然気にしてない風で、上京当日すらセンチメンタルはまったくなく。
たぶん、聞いてもそんなグラタンのことなんて憶えてもいないだろうけど、どうしても、二月の、あの寒い夜はかなしかった。
母のグラタンは特別な味ではなく、とてもふつうだった。白いグラタン皿にこんがりこんもり、とろりと、とてもおいしかった。
たまにしか出てこなかった味。
今でも時々、食べたくなる味。
出かけていて、帰ってお風呂に入って準備して夜行バスに乗って新宿まで、の夕方。
家に帰ると、母がちょうど休みで、グラタンを作っていた。
母のグラタンなんて10年ぶりくらいのような、仕事に忙しくほとんど家にいない母が、はやい時間に、めずらしく、それも、子どもの頃だいすきだったグラタン。マカロニとエビと野菜のグラタン。
白くあつあつのグラタン。とてもうれしかったというのに、それを半分も食べられなかった。
ほんの2時間前に外でチキンドリアを食べたことを後悔しながら、もう30分後には家を出ないと間に合わなかった。あのかなしさはわすれられない。
母はお腹いっぱいならやめときなー、って全然気にしてない風で、上京当日すらセンチメンタルはまったくなく。
たぶん、聞いてもそんなグラタンのことなんて憶えてもいないだろうけど、どうしても、二月の、あの寒い夜はかなしかった。
母のグラタンは特別な味ではなく、とてもふつうだった。白いグラタン皿にこんがりこんもり、とろりと、とてもおいしかった。
たまにしか出てこなかった味。
今でも時々、食べたくなる味。
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