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mel

ほんのり乾いた午後
音楽において、声ばかり聞いている(しかし歌詞ではなく音としての)、ということに気づき、意識して、後ろの、楽器の音だけを聞いてみる。

乾いた音と声のむこう、一拍の、弾むような弦の音に気づく。
たっぷりと湿度のある音。
ほんの一秒足らずのそれに、あぁぁ今の今まで気がついていなかったのに、一瞬にしてうっとり、巻き戻してもう一度聞く。

どうしても宮沢賢治的になれずスロースロー、部屋干し、ため息、寒いような蒸し暑いような、電気つけなきゃなぁ、あーあー、体の重いグレーな今日に、すこし光が射す。
いったい何度救われたかしら。

すぐに心が折れる。
でもそのたびにまたがんばろうと前を向く。 

朝は来る。
たっぷり過ぎる湿度の、しかしほんのり乾いた午後に。
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