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たっぷりと雪。近所のぜんぶの家が白い屋根になり、ちょっときれい、
あんまり雪を見慣れないわたしには、危ないなぁ寒いなぁとともに、なんとも、異世界に来たようで。
とても静かな昼。うつくしい昼。
夕方、こんな寒い日にはもうこれしかないよなぁと、ゆっくりのんびりグラタンを作る。
台所の窓からは、止んでもまだ残った隣家の屋根の、青くつめたい雪の白。
鍋の中は、とろり、ふつふつ、あたたかなミルクとじゃがいもの白。
焦げ付かないよう混ぜながら、夫の帰りには、アスファルトが凍ったりしてないといいなぁ。
真冬のような3月の終わり。
明日もまだ寒そうで、ふつうに、名のない風邪もひかないようにしなきゃ、ですね。PR -
外出自粛の週末。
とはいえ夫は仕事だし、ぽつぽつ人も車もいるのだなぁの、窓の外を見る。
今日はくもり。でも思いがけずにすこし晴れ、からの、夕方どんどんグレーになり、雨。
明日は雪になるらしい。今日は20度以上もあったのに。
子どものころ、図工の時間は好きだったくせにあまりにも絵が下手で、夏休みの宿題は毎年、緑と水色ばかりの、ただ水彩絵の具をてきとうにのばした背景だけ、みたいな絵を描いて、出していた。お題は緑化推進。
空はよくよく見ると、水色だけではなく、今日のは遠くにうすい陽のピンクや、あわい黄色、むらさき、たぶん黒をうすーく伸ばしたやつも混ぜなきゃいけなさそうだし。
緑も同じく、緑だけじゃ描けなさそうだし。
どんよりのくせにきれいな空を、あのピンクのところを、焼き付けるように眺める。
絵、といえば。
夫の昼ごはんの、おにぎりの包みが剥がしやすいように貼るマスキングテープ。おかかのおにぎりには、小さな魚の絵を描いている。
同じように描いたつもりが、毎回ちがう魚になっているらしく、それがおもしろいと夫がいうので、なんとなく、下手なりに毎日、やめられなくなってしまった。
今だったら、少しはましな絵が描けるのかしら。
すくなくとも、水彩の背景のうえに、魚を数匹のせることは出来るだろうな。 -
今日は、またも棚はすかすか通路はみっしりのスーパーで、リスト通りにぐるりまわって、納豆が買えなかった。
けれど、まぁ、他にあるものを食べればいいし。
隣の棚でなぜかたくさん並んでいた厚揚げと、がんもを買う。
帰りに見た公園の桜がちょうど満開で、はらはら風にゆれ、うっとり、やさしいピンクに癒される。
わたしも夫も、花粉症以外は元気に過ごせていることをありがたいと思う。
いろいろあるけど悲観しない。
ひさしぶりに買ったがんもは、とてもおいしかった。
どうか、
はやく日常を取り戻せますように。 -
無印良品をすきな理由、として大きなひとつはBGMにあるのだと、いろんなお店の大音量に疲れたあと、いつも、どの店舗でも変わらずに安堵する。
照明の色あいや、音楽のボリューム、におい、まわりの景色や温度や湿度、肌に触れるものが快適であることは、わたしにとってとても大事で、
仕事や家事や買い物のそれ、そのものをすきでいられるかどうかも、そういう外的なことによってずいぶん変わってくるなぁと。
苦手だったことは、思えばいつも、あの蛍光灯が嫌だったとか、ユニフォームが嫌だったとか。
椅子の座り心地がすきだったなぁとか。そういう些細なことは、実際、まったくもって些細ではない。
家にこもってミシンをする昼間、をちっとも飽きないのは、作ることがすきだというよりも、ミシンの音、糸切り鋏を置く時の音、アイロンのにおい、部屋で着ているコットンのカットソーとガーゼのスカート。さっき掃除したばかりのテーブル、窓の多い部屋の自然光(雨の日はリモコンで照明の明るさと色温度を変えながら)。
それから、縫っているときの手触り。
快適な、むしろ幸福な環境のおかげで、こうして亀でも、失敗しても、嫌いにならないのだと思う。 -
寒の戻りってやつかしら、北風が冷たくひんやり。
陽射しもすこし柔らかなような、でも窓からは遠くにうっすら桜が見えて、あぁ、いい天気。
昨日は休日で、ひさしぶりに何もせず、夫と話したり音楽聴いたりの、ぼんやりした午後だった。
あぁもうこんな時間!無駄にしてしまった!と夕方に一瞬焦り、そうしてすぐに焦る自分を呪ったけれど、
おかげでやることいっぱいの今日を、起き抜けからすっきり、気分良く動ける。
今夜は新月。
春のはじまり、月のはじまり。
ひと段落終えたら、リネンで自分のスカートを縫おう。