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mel

  • ちいさなことたち
    四日目最後は、甥っ子を幼稚園に送って行って、部屋の片付けと、母のおにぎりに卵焼き。
    なんてことのない昼を過ごし、空港まで送ってもらって、帰った。

    けれど飛行機が遅れて、結局またも急ぐことになってばたばた。
    買い物して家に帰り、甥っ子に着いたよと電話して、簡単すぎる夜ご飯と片付けのあとで、夫が言ったこと、

    「いつも思うんだけど、じぃちゃんばぁちゃんの家に行くあの景色がいちばん好きかもしれない」

    一緒に街を歩き、ひとりでも行ってみたいと言っていた有名な観光地を見て、それよりも、だと言う。
    県内の人でも知らないような山奥の、なんにもなさすぎるただのちいさな川沿いの景色。
    なんかそれがとてもうれしくて、ばぁちゃんにも電話で伝えたら、やっぱり喜んでいた。
    東京生まれ横浜育ちの夫には、本当に新鮮なんだろうな。

    そういえば。
    寝る前の甥っ子に、初めて絵本を読んだ。
    ちいさな歯を磨いた。
    妹の運転する車に乗った。
    別にどうってことないようで、こういう経験もまた、楽しかったなぁ。
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  • 受け継がれていく味
    ええっとそして夕方から、祖父母の家へ。

    すっかり大人になった従兄弟と、叔母と、みんな変わらずまぁよく食べよく喋る家で、にぎやかに、はぁ楽しい夜だった!
    ご馳走なんて作らなくていいよと伝えたけれどやっぱりお寿司を作ってくれて、その、炊けたお米を飯台にひっくり返して、ゆこうとか酢橘の入ったすし酢をまわしかけて切って、の、温い酢飯をスプーン持ってきてちょっともらう!
    その度に「あんた(妹)がこまい(小さい)ときに2合のお米したん全部食べたんやもんなぁ」
    と毎度、困ったようにうれしそうに言うのを、もう百回は聞いたよと言いつつ、わたしやっぱりこれが世界一好きだわーと思う。

    家族が好き。
    じいちゃんばぁちゃん、どうか長生きしてほしい。

    三日目は雨で、ちょっと買い物に行ったくらい。のんびり過ごした。
    買ってきたパンとスコーン食べたり、コーヒー淹れたり、いやちょっとは動こうとフラフープを回してみたり(これだけは数十分回し続けられる!唯一できる運動)、
    ともかく花を愛で、ぼんやり、十年以上ぶりにトランプさえする程に暇だった。

    夜は、リクエストしたグラタン!
    大好きだった母のグラタンは、やっぱり玉ねぎがいっぱい入っていて、白くてとろっと熱々で、美味しかった。
    聞けば母は子どもの頃、祖母のグラタンが好きだったらしい。わたしは食べたことのないそれ。 でも祖母はチーズが嫌いなので、家族のために作っていたんだなと知る。

    甥っ子もばぁばのグラタンは大好き。
    彼は表面のこんがりしたところがいいらしく、妹は下ばかり食べさせられていた。けど、なんかそんなのも楽しい夜だったな。この一年くらいの中で、一番お腹いっぱい食べた気がする。
  • うれしい顔をみるのがうれしい
    着いて初日は、先ずオンラインで日々お世話になっているコーヒー屋の夫婦に会いに行ってから、街を散歩。
    よく晴れて暑いくらいで、一年前よりあれ、さらに寂しい町になった気がする、ようなしないような、、でも、その何にもないねえ。が、悪いふうじゃなく楽しい。
    それから実家。
    ついて最初の夕飯は焼きしゃぶだった。母と妹と甥っ子と、五人、ゆっくりわいわい長い夜。

    二日目は、妹とランチ、楽しみにしていた時間!
    考えてみるとおそらく七年ぶり、、あれほど二人であちこち出掛けて、二人暮らしもしていたのに。月日の流れる速さに心底ぞっとする。
    初めてのお店だったのだけれどとっても美味しくて、カウンターだけのちいさな店は居心地も素晴らしく、妹は、こんな風にのんびり食べることがとても久しぶりだと、本当にうれしそうだった。
    ばぁばが居るとはいえ、ひとり親で子を育てるというのはどれほど大変なのか、わたしには到底わからないけど、妹がうれしそうなのがうれしかった。

    一週間遅れの母の日の花束と、甥っ子にもひまわりを一輪、お土産に帰った。
    芍薬のふわふわと開いていくのを、何度も、また開いてきた!と眺めては、いい香りがするから寝室の頭もとに置こうかしらと、母がうれしそうなのがこれまた、うれしかった。
    やんちゃ盛りそのものの甥っ子も、花は優しく持ってくれた。

    途中のバスで親切なおばあさんに出会ったり、花屋の店主だったり、ビストロの美しい奥さまとちょっと口下手なマスター(パイがとっても美味しいですと伝えたら焼き立てに騙されてるね、とぼそっと返される)。

    また、昨日に続いて、たくさんのやさしいに触れた二日目の、、いやまだ全然途中まで。
  • どうして飛行機で飲むコーヒーはあんなに美味しいのか
    ほぼ一年ぶりに、実家に帰省。
    というわけで一年ぶりに飛行機、羽田空港へと向かう電車、そもそも乗り継いで家から一時間半かかるのだけど、あろうことかそれを乗り間違えて、逆方向、品川に向かうところで気がついて、あぁ!どうしよう!ここはどこだ!

    隣に乗っていた若い女の子(もう自分は若い女の子ではないという自覚はある)が、どうやらこのあたりの住人らしく、この次だと各駅しかとまらないから、今あわてて降りないで二つ先まで行って特急に乗った方がいいですよ、と教えてくれて、その通りに。

    予定より三十分遅れに、なんとか着いた。
    まぁそれでも早めに家を出ていたので、離陸まで一時間半はあって、展望テラスで簡単にお昼を食べて、お土産買って、でも結局バタバタしながら飛行機に。

    諸々、予定どおりには行かないものですね。
    なるべくイライラしないようにと意識しつつもなかなか。。そんな、非日常の始まりです。
    やっぱり不安でいっぱいな機内で飲むコーヒーは、はぁぁぁぁぁ美味しかった。

    あの女の子と、CAさんのやさしさに救われたな。
  • たくましく美しくありたい
    ウズベキスタンという国のことをちょっと知った。
    シルクロードのころに栄えた、美しい町があるらしい。
    スタン、というのは土地という意味で、ウズベク人の土地。ということらしい。

    知らないことばかりだなと思う。
    最近、あのタンポポによく似た背の高い花はブタナということを知った。
    ブタナ、ひどい名前だけれど、たくましく美しい。

    夫は、多くのことを図鑑で見た、という。
    もっと美しく縫える方法も図鑑に書いてあったら、、いや、わたしも野花の如く、たくましくがんばらねば。